第7話
不倫した夫が許せない!両家の両親も交えて夫を徹底的に問い詰めた結果は!?

ある日の夜8時。
仕事から帰宅した夫は、私の顔を見るなり細い声でつぶやいた。

 

 

お前…、知っていたのか?


 

夫の不倫相手に、不倫慰謝料請求の内容証明を送ってから1週間後が経っていた。
ちょうど不倫相手に内容証明が届き、その事が夫に伝わったのだろう。

 

 

夫は驚いたに違いない。
まさか私に不倫がバレていたなんて、思ってもなかっただろう。

 

 

夫の目は虚ろだ。
私を見る目は焦点が合ってない。
私と目が合うと、目線をさっと反らす。

 

 

さて、夫はどう出るのか?

 

 

私は離婚を望んでいない。
だが、夫がどう考えているのかは分からない。

 

 

もし、夫が離婚を望んでいるのなら、私にとって最悪の展開だ。
不倫された私から『離婚したくありません』など、逆立ちしても言えない。

 

 

ただ、おそらく夫は離婚は望んでいない。
息子が好きだし、私とも基本的に仲が良い。

 

 

理想は、夫が不倫したことを強く反省することだ。
カウンセラーのミライさんも言っていた様に、夫の不倫はただの火遊びだろう。

 

 

そのためには、夫の口から『不倫相手とは別れる』とか『離婚はしたくない』という言葉が出てくるはずだ。

 

 

私は、玄関で居心地悪そうに立ってこちらを見ている夫に言葉をかけた。

 

 

 

「あなた、こちらに来てください」


 

私は、リビングに夫を招いた。
リビングに入った瞬間、夫は驚きの声を上げて尻もちをついた。

 

 

ええぇ!?
な、なんでいるの!?


 

リビングには、夫と私の両親4人が座っていたのだ。

 

 


 

 

今から6時間ほど前…。

 

 

今日、私は仕事を午後で切り上げ、夫の実家を訪問した。
そして、夫の不倫を夫の両親に話した。
もちろん、夫の不倫相手Sさんに、慰謝料を請求していることも話した。

 

 

夫の両親は、土下座して謝ってきた。
だが、夫の両親に土下座されてもなんとも思わない。
私は、夫の両親を私たちの住む家に連れてきた。

 

 

同時に、私の両親にも私の家に来てもらった。

 

 

5人で、夫の帰りをひたすら待っていた。
夫が帰ってきたら、家族会議を始めるつもりだったのだ。

 

 

夫が帰ってくるまでの間、私は探偵社に依頼して収集した夫の不倫の証拠を皆に見せた。

 

 

皆、夫が不倫相手とラブホテルに入る写真を見て驚いていた。
夫の不倫を信じ切れていなかった夫の両親は、微かな望みを捨てた。

 

 

証拠を見て皆が驚愕している時、夫が帰ってきたのだ。
私は、一人リビングを抜け出して夫を玄関まで迎えに行ったのだった。

 

 

夫は、両家の両親が揃っているのに驚いていた。
だが、皆に促されてリビングの中央に座った。

 

 

そして、私、私の両親、夫の両親の計5人からの質問攻めが始まった。

 

家族会議の会話内容

 

おい、Aよ。
お前、不倫とはどういうことだ!?


 

夫の父は、そう言って私が収集した夫の不倫の写真を夫に見せつけた。
夫は、驚きの表情と共に写真に見入っている。

 

 

 

Aさん、いったいどういうことですか!?
なぜ、不倫などしたのですか!?


 

 

夫は、観念したのか頭を深く下げて謝った。

 

 

 

ホントすいません。
つい、出来心で…。

 

ホント、反省しています。


 

 

バカ野郎!

 

出来心だと!?
相手はいったい誰なんだ!?
どこで知り合ったんだ!?


 

 

職場の後輩です。

 

昨年、俺と同じ課に移動してきて、俺が指導員となりました。
そして、プライベートでも仲良くなってしまいました。


 

 

いつから不倫が始まったのだ!?


 

 

Sさんが異動で来たのが昨年4月です。
不倫関係になったのは、2か月後の6月からです。


 

 

去年の6月からだと!?
1年くらい続いているってことか!?


 

 

Aさん、なんで不倫なんてしたんだい?
さやかと喧嘩でもしてたのかい?


 

 

喧嘩なんて特に…。


 

 

Aよ、お前は自分が何をしたのか分かっているのかあぁ!?


 

夫の父が怒号を発すると同時に、スマホを夫に向かって投げつけた。
スマホは夫の腹部に当たった。

 

夫は、痛みで歯を食いしばるが、何も言わずに耐えている。

 

 

 

すまない、親父。


 

 

俺に謝っても意味ないだろ!
ちゃんと、さやかさんに土下座して謝れ!


 

 

さやか、すまん。


 

夫が必死に謝ってくる。
しかし、何も反応せず夫を見つめる。

 

 

ホント、バカな男。

 

 

 

さやかさんは、どう考えているんだい?
もしかして、離婚とか考えてたりするのかい?


 

 

 

 

 

正直言いますと、離婚について何度も考えました。

 

弁護士にも相談に行きました。
この不倫の証拠があれば、離婚は確実にできると言われています。


 

 

え!?


 

 

べ、べ、弁護士!?

 

まさか、離婚するなんて考えてないよな!
離婚は絶対イヤだ。


 

 

離婚という言葉が出たことで、場に緊張が走った。

 

 

みな、私を見つめる。

 

夫は、怯えた目で見てくる。

 

そんな夫を、私はただ睨んでいた。

 

 

1分。

 

 

2分。

 

 

その場に沈黙が流れた。

 

 

 

さやか、離婚を考えているの?
そんなことないよね?


 

 

さやか!
ホントごめん!

 

離婚だけは止めておこう!


 

 

不倫していたお前が言うなあぁ!
お前は黙って土下座でもしとけっ!


 

 

さやか、どうなんだい?
離婚とか考えているの?

 

離婚したら息子ちゃんがかわいそうよ。


 

 

さやか、いったいどうなんだ?


 

 

 

 

 

ホントは私も離婚なんてしたくないです。
けど、また不倫されるかもと思ったら一緒に生活するのが辛くなるし…。


 

 

さやかさん。

 

うちのバカ息子はホントに申し訳ないことをした。
だが、もう不倫などさせないから、どうか離婚は考え直してくれないか。

 

この通りだ、頼む。


 

 

もう、絶対に不倫なんてしない。
お前の言うことは、何でも聞くから!

 

だから、離婚は思い留まってくれ!


 

 

『何でも聞くから』

 

 

私は、夫のその言葉を待っていました。

 

 

私は、夫の不倫を知り、探偵に依頼して証拠を手に入れた。
この不倫の証拠が有れば、離婚もできるし、慰謝料も取れる

 

 

だが、私は離婚したいわけじゃない。
不倫相手から慰謝料をもらいたいわけでもない。

 

 

私は、夫の事が今も大好きなのだ。
例え不倫されていると知っても、それでも嫌いになんてなれないのだ。

 

 

確かに夫の不倫を知った時は辛かった。
だが、それで離婚するのはもっと辛い。
例え慰謝料をどれだけもらえたとしても。

 

 

夫が何でも言うこと聞いてくれるなら、私の望みはただ一つ。

 

 

 

 

 

 

あなたが何でも言うことを聞いてくれるなら、離婚は保留にしようかしら。
けど、絶対にひとつだけお願い聞いてくれるのね?


 

 

その瞬間、場に安堵の雰囲気が流れた。
離婚回避を感じた皆のため息が、部屋に響いた。

 

 

 

さやか!
ありがとう!

 

何でも言うこと聞く!
俺は、何をすれば良い!?


 

 

何をお願いするかはまだ待って。
Sさんから不倫慰謝料をたっぷり取ってから言うわ。


 

 

さやかさん、離婚を思い留まってくれてありがとう。
さやかさんには一生頭が上がらないわ。


 

 

さやかさん、
さやかさんのご両親、
うちのバカ息子が不倫なぞして、
本当にすいませんでした。


 

 

さやか、ありがとう。
もう不倫なんてしないからな。

 

不倫なんてして、本当にすまなかった。

 

もう、お前と息子を、
裏切ったりはしないから。


 

 

 

 

 

けど、あなたは私の言うことを聞かなきゃならないのよ?
さっき『何でも言うこと聞く』って言ったけど、それでも良いの?


 

 

何でも言ってくれ!

 

一生かかることでも、
どんなことでも聞くから!


 

夫の顔は、涙と汗でぐしゃぐしゃだった。
夫の両親は、私が離婚を思い留まって、安堵の表情を浮かべていた。

 

 

その後、夫の携帯をチェックして、他に怪しいやり取りが無いかも確認した。
その後、夫の携帯から不倫相手のCさんに、『二度と連絡しないで欲しい』と伝えた。
そして、電話もラインLINEもSさんからはブロック設定した。

 

 

家族会議は、夜8時から始まり、深夜2時まで及んだ。
その晩、私の両親は帰宅し、夫の両親は宿泊して翌朝帰っていった。

 

 

家族会議は、無事に終わった。

 

 

夫は、離婚を避けたいと泣いて懇願し、もう二度と不倫はしないと誓った。
カウンセラーのミライさんも言っていた通りとなった。

 

 

しかも、夫婦以外の人を交えての話し合いは効果絶大だった。
夫は両家の両親の前で誓ったのだから、二度と同じ過ちはおかせないだろう。

 

 

さて、夫への制裁はひと段落した。
だが、まだやることが残っている。

 

 

不倫相手Sさんへの不倫慰謝料の請求だ。

 

 

ミライさんのアドバイスによると、不倫慰謝料を支払わせることで二度と夫に近付かせないようにできる。

 

 

夫とに話し合いは一端の決着がついた。
あとは、夫の不倫相手Sさんからの返事を待つのみだ。

 


 

家族会議から数日後。

 

 

夫の不倫相手Sさんから、弁護士事務所に連絡が来た。
不倫慰謝料について話し合いをしたい、と言う。

 

 

夫の不倫相手Sさんとの話し合いは、弁護士と共に行くことにした。
その場で決着をつけるために、慰謝料の合意書も用意しておいた。

 

 

決戦は、週末の土曜日!

 

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