不倫相手と同棲なんて許せない…

家族構成

イラスト_男性60代

 

 

夫A氏(60代)
会社員

 

 

イラスト_女性40代

 

(相談者)※別居中
妻Bさん(50代)
専業主婦、パート社員、派遣社員

 

イラスト_成人男性

 

26歳(長男)
社会人

 

イラスト_成人男性

 

23歳(次男)
社会人

 

あぁ、来年には還暦か。
私の人生、なんだったんだろう。

 

 

妻Bさんはもうすぐ59歳の誕生日を迎える。
そんな時、自分の人生を振り返っていた。

 

 

しかし、振り返ってもため息しか出てこない。
とても充実した人生とは言えない。

 

 

なぜか。
それは、夫とは長期間別居しているのだ。

 

 

夫は、単身赴任という訳ではない。
もちろん、死別でもない。
もうかれこれ10年以上、不倫相手と住んでいるのだ。

 

 

 

夫の不倫が発覚したのは、私が40歳頃だった。

 

 

2人育児が大変で精神的に限界を迎えていた。
しかし、そんな私の育児を手伝うことなく、夫は自分の時間を過ごしていた。

 

 

本音を言えば、家事や育児を手伝って欲しかった。
しかし、会社で頑張っている分、家ではゆっくりさせてあげたかった。

 

 

だが、私が育児に夢中になればなるほど、夫との会話は減っていった。
そして今思えば、私が育児の全てをこなしていたため、夫は父親としての自覚がなかなか芽生えなかった。

 

 

音は、家事・育児を私に任せっきりで、外で遊ぶようになった。
会社の同僚と共に、異性遊びに精を出すようになった。

 

 

ある日、自宅に知らない女性から電話がかかってきた。
その女性は、名を名乗らずに一方的に話し始めた。

 

 

知らない女性
「夫のAさんと別れてください。
あなたはAさんを幸せにできない。
Aさんは、私が幸せにしますから」

 

 

意味が分からない。
あの女は、いったい誰なんだ。

 

 

混乱した私は、何も答えられなかった。

 

 

その頃からだ。
夫に出張が増えたのは。

 

 

それまでは、主張などしたことがない。
最初は、月に1回ほど。
しかし、半年後には毎週主張となった。

 

 

さすがに、怪しいと思った私は、友人に夫の後を追跡してもらうことにした。
案の定、出張と嘘をついて女性と会い、夜は女性宅に入っていったのだ。

 

 

友人からの報告を聞いた時、さすがに動揺した。
夫は不倫している。

 

 

しかし、離婚はできない。

 

 

生活に余裕がなくなる。
家を出ていくにもお金がない。
シングルマザーとして子ども2人を育てていくなんて無理だ。

 

 

夫の不倫を、黙っているしかなかった。

 

 

それからも夫の不倫は収まる気配はなかった。
それどころか、遂に不倫相手と同棲を始めて妻Bさんの元には帰ってこなくなった。

 

 

 

夫が出て行ってかれこれ10年以上経つ。
妻Bさんは、派遣社員の仕事を始め、女手ひとつで2人の息子を育て上げた。
昨年には、下の子が社会人となり家を出て行った。

 

 

子どもたちが巣立って、自分の人生を見つめなおした。
そして、もう籍だけしか残っていない夫とは正式に離婚しようと思った。
だが、老後の生活を考えると、お金の不安はある。

 

 

今まではなんとか働けたけど、これから60代70代になるととても働けない。
それなら、夫に慰謝料をもらって離婚しよう。

 

 

夫がどこに住んでいるかは分かっている。
慰謝料は、夫と不倫相手に請求して、取りっぱぐれが無いようにしなければ。

 

 

来年還暦を迎えるし、老後の生活を考えなければ。
慰謝料は、多くもらえるに越したことは無い。

 

 

では、具体的に慰謝料はいくらくらい取れそうか?

 

 

友人が過去に離婚したときは、慰謝料で確か200万円もらったと言っていたな。
夫が1年間不倫していて、それが発覚して離婚したそうだ。

 

 

私の場合、夫の不倫は10年だ。
しかも、不倫相手と一緒に住んでいて、私は夫の顔すら見ていない。

 

 

この場合でも、一律100万円とか200万円なのか?
不倫の程度がひどいので、より高額にはならないのか?

 

 

特殊な事情であることは分かっている。
だが、私の老後がかかっているのだ。

 

 

ひとりで考えても答えなど出ない。
こうなったら、弁護士に相談しよう!

この事例の争点

夫A氏は、不倫相手と20年にも及ぶ同棲をしています。
そして、妻Bさんとの生活を完全に放棄しています。

 

 

妻Bさんは、お金の問題もあり離婚に踏み切れませんでした。
しかし、子どもも巣立ち、60歳を迎えるにあたり、身をキレイにしたいと考えるようになりました。

 

 

ただ、老後の生活を考えるとお金が必要です。
そこで、長年不倫してきた夫と離婚すると同時に、できるだけ慰謝料を取れないかを考え始めています。

 

 

通常の家庭における慰謝料の額は、100万〜300万円程度です。
ただし、この事例の夫婦は、夫が同居を拒否して10年以上にもなります。
その場合は、通常以上の慰謝料が認められる可能性は無いのでしょうか。

 

 

では、この事例に似た過去の判例を紹介します。

 

判例の紹介

判例@

最高裁判所

昭和62年9月2日

大審院民事判例集41巻6号1423項

同居期間12年の後、夫は不倫相手と40年間同棲した事例で、夫は妻に離婚を請求した。

 

最高裁判所は、慰謝料1,500万円とした。それとは別で、財産分与も1,000万円も命じた。(その後、和解して合計1,500万円の支払いとなった)

 

この判例は、有責配偶者からの離婚請求であることもあり、慰謝料としては異例の高額となった。

 

判例A

東京高等裁判所

昭和63年6月7日

判例時報1281巻96項

同居期間38年の後、夫が不倫相手と17年間にわたって同棲した。

 

東京高裁は、今後10年はある妻の老後に対して、離婚すれば婚姻費用も相続権もなくなることで生活への不安にさらされるため、夫から妻への慰謝料1,000万円と財産分与1,200万円の支払いを命じた。

 

結論

不倫(不貞行為)は、離婚理由ランキングの上位に位置します。
ただ、不倫が配偶者にバレてしまって離婚する夫婦もいれば、再構築を目指す夫婦もいます。

 

 

ただ、ごく少数ですが何年〜何十年に渡って不倫を続ける人もいます。さらに、配偶者との同居を放棄して不倫相手と一緒に住み始める人もいます。

 

 

夫が不倫相手と何十年にわたって同棲が続くと、籍だけある状態で年数だけが経ちます。そうなると、今後の不安を抱えながら老後が近づいてきます。

 

 

妻としては、夫の長期にわたる不貞行為のせいで、精神的被害とともに老後の不安も抱えています。そのため、せめて老後の安定のために、高額の慰謝料を請求したいという心境になるでしょう。

 

判例@もAも、不貞行為の慰謝料としては異例の1,000万円超です。これは、夫の資力も材料視されていますが、長期にわたる夫の不貞行為の損害賠償という側面があります。

 

 

この事例では、夫が不倫相手と同棲して10年以上にもなります。
1,000万円という高額の慰謝料を命じられた過去の判例と比しても、遜色ないくらいの不倫相手との同棲期間です。

 

 

したがって、この事例での妻Bさんは、一般的な慰謝料の相場である100〜300万円よりも高い慰謝料が認められるでしょう。
(ただし、夫の資力や有責度にも依ります)

 

まとめ

配偶者が不倫相手と長期間同棲している場合、妻の老後が近ければ慰謝料は超高額となり得る!

 

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