第18話
7回目の離婚調停!投資用マンションの価値を決める議論が大紛糾!

妻が出ていって11ヶ月

 

離婚条件についての議論がかなり白熱してくることが予想されます。
不動産は金額がとても大きいので、どんなに細かいことでも相当慎重に話を進めていかなければなりません。

 

第7回離婚調停(前半)の会話内容

 

本日から、不動産の分与について本格的な話し合いですね。
ところで、私たちから提案なのですが、妻側弁護士と同席して話し合いをしませんか?
いわゆる同席調停という方法です。

 

話が専門的すぎて、私たちが双方の意見をうまく伝えられない可能性があるのです。
いかがでしょうか?


※同席調停:調停委員が見守る中、申立人(妻側)と相手方(ヤマト)が直接話し合いを行うこと。

 

 

 

 

 

 

えぇ!?
妻側弁護士3人と面と向かって話し合いを進めるのか?
相手のペースに流されたりしないか心配だ。

 

しかし、議論するべきことは膨大なので、調停委員を介してでは時間がかかりすぎる。
今なら裁判になっても勝てる立場なので、この有利な状況でさっさと議論を進めてしまった方が良いか。


 

 

わかりました。
確かに、その方が話もスムーズに進むかもしれませんね。


 

 

それでは、奥さまの弁護士にも提案します。
両者OKなら、裁判官に許可を取って同席調停を行います。

 

待機室でお待ちください。


 

待機室で待つこと約10分。
調停委員が呼びに来ました。
廊下を歩いている時、心臓がドキドキしているのを感じました。

 

 

部屋に入ると、
調停委員2人、
妻側弁護士3人、

 

そして、ヤマト。

 

 

3回目の調停においても同席することはありましたが、時間にして20分ほどでした。
今回は、決着がつくまでとことん議論しなければなりません。

 

 

不安でいっぱいです。
しかし、逃げることなど許されません。

 

 

ヤマトが着席するなり、私と妻側弁護士はお互い会釈します。

 

第7回離婚調停(後半)の会話内容

 

では、くれぐれも落ち着いてお話し下さい。


 

 

 

 

 

まずは、不動産は私の特有財産だと主張しよう。

 

ただ、おそらく妻側弁護士は認めないだろう。
『妻の家事・育児での貢献』を理由に共有財産だと主張してくるだろうが…。


 

 

 

 

 

まず、投資用不動産は私の特有財産だと主張します。
入籍前の私の貯金の割合が大きいことと、経営も100%私が行っていました。


 

 

婚姻期間中の購入であることと、購入資金が家庭用口座も含まれていることから特有財産という前提には無理があります。

 

また、ヤマトさんが不動産経営で家を空けている時も、奥様は妻として家事をしていた。
以上のことから、特有財産とは認められません。


 

 

あなたが不動産経営に夢中でいられたのも、奥様がご飯作ったり、掃除したり、育児をしたりしていたからだとは思わないのかね?


 

 

話を聞いている限り、婚姻期間中の購入という点で、裁判しても共有財産となるでしょう。


 

 

 

 

 

予想通りの反論。
私が相談しているK弁護士も、共有財産になるだろうと言っていた。

 

しかし、ここでしぶしぶ共有財産であると認めたことは、今後の議論で必ず効果を発揮する。

 

妻側弁護士が今後『奥様は家事をすることで貢献していた』と主張しても、私は『だからこうやって共有財産として議論に応じてあげている。その主張は新しい材料にはならない』と反論できるのだ。


 

 

 

 

 

わかりました。
婚姻期間中の購入であることと、妻の家事などの貢献もあったことは認めます。
共有財産であることには合意しましょう。

 

ところで、不動産の分与はどういう方法で決めていきましょうか?


 

 

まずは、不動産の評価額を決めて、そこから融資残高を差し引けば、分与対象額が決まります。
そうして出した分与対象額を分けることとしませんか?


 

 

良いでしょう。
そうやって決まった分与対象額は、最終的にどう分けますか?


 

 

色々な方法がありますが、単純に何対何で分けませんか?
複雑な考えをすると、手間と時間がかかりますので。


 

 

 

 

 

こちらから提案しようとしていた方法だ!

 

今回の調停は不動産の分与額が大きくて考え方も複雑なので、計算式を使うと相当長引く可能性がある。その点、単純に分けることは短期で話が決着する可能性がある。

 

早めに決着することは、婚姻費用の点でも私に有利に働くはずだ。


 

 

 

 

 

その方法に同意します。

 

ただ、私の経営への貢献度をどこかで反映させたいですね。
不動産の評価額が高額になる場合は、私の特殊能力に拠るところが大きいという理由から私の取得割合は当然大きくなって当然だと考えております。

 

ところで、不動産の評価額はいくらにしましょうか?


 

 

ヤマト氏にもお送りした査定を使います。
2部屋合わせて評価額は7,000万円だと主張します。


 

 

私は、固定資産税評価額の4,000万円を主張します


 

 

あなたさんねぇ、それは安すぎでしょう。
あなたも査定を取りなさいよ。


 

 

 

 

 

私は不動産経営をもう3年もやっているのです。知り合いの不動産屋などたくさんいます。
私が不動産屋に任意の金額での査定書を作らせるなど、とても容易いことです。

 

その手間が面倒なので、このように主張しているのです。


 

 

じゃあ、裁判所に頼んで、裁判所の依頼する鑑定士に鑑定してもらうしかないな〜。


 

 

…。


 

 

 

 

 

それは、マズい。とてもマズいぞ。

 

不動産鑑定を依頼すると、収益不動産の場合は取引価格を基準に決まることが多い。
となると、査定書の7,100万円や、それ以上の価格が出てしまう可能性も…。

 

うーん、困った。どうしよう。


 

 

いい加減、もう少し価格を上げなさい!
せめて、購入価格にするとか!

 

そして、我々の査定額との中間を評価額と決めるとか…。


 

 

え!?
購入価格でいいのか?


 

この瞬間、ヤマトは頭の中で必死に考えました。

 

 

購入価格は、6,000万円。
相手の主張は7,000万円。
その中間は、6,500万円か。

 

 

不動産の価値を6,500万円は、
実際に査定を取るより安い価格のはずだ。

 

 

現時点での融資残高は約5,000万円なので、分与対象額は約1,500万円。
最悪の場合、折半となると妻の取得分は最大で750万円。
当初は1,000万円ほどの金額も覚悟していたので、かなり抑えられそうだ!

 

 

さらに今後の議論で、頭金の拠出額と経営への貢献度を主張することで、妻の取得分を750万円よりさらに引き下げることも可能だ!

 

 

これは、これで手を打っておくべきだ!

 

 

 

 

 

 

私の主張を購入額の5,900万円とするのですね。
妻側の主張は7,100万円。

 

これの中間の6,500万円を不動産の価値とするのですね。


 

 

そうです。
6,500万円でどうでうすか?


 

 

わかりました。
6,500万円で合意します。


 

この時点で、投資用不動産の分与対象額は決まりました。

 

 

分与対象額は、評価額6,500万円―ローン残高5,000万円で、1,500万円となりました。
ここに経営貢献度を加えるとすると、妻の取得額は750万円以下になり得ます。

 

 

 

 

 

 

ところで、私の不動産賃貸経営への経営貢献度はどうしましょうか?
分与対象額が1,500万円となりましたが、これに配分割合をかけることにしませんか?

 

配分割合は、頭金の拠出額と経営貢献度の平均としましょう。

 

配分割合=頭金の拠出割合と経営貢献度の平均

 

これでどうでしょうか?

 

そうなると、双方の取得金額は次のようになります。


 

・分与対象額の取得額
ヤマトの取得額=分与対象額×ヤマトの配分割合
※ヤマトの配分割合は、ヤマトの頭金の拠出割合と経営貢献度の平均

 

妻の取得額=分与対象額×妻の配分割合
※妻の配分割合は、妻の頭金の拠出割合と経営貢献度の平均

 

 

 

なるほど。
双方の頭金の割合と経営の貢献度のパーセントを決めて、その平均値を1,500万円にかけて双方の取り分を決めるのですね?


 

 

 

 

 

その通りです。

 

まぁ、配分割合を考慮することは当然だと思いますよ。
離婚裁判では、特殊能力で財産をたくさん築いていた場合、貢献した人の取得割合が多くなるという判例は星の数ほどありますよね。

 

結婚生活4年間で1,5000万もの分与対象額ができました。
これは特殊能力と言えるでしょう。


 

 

分かりました。
それで議論を奨めましょう。


 

 

 

 

 

では、まずは双方の頭金の拠出額を決めましょう。

 

頭金は2部屋合計で500万円です。
このうち、私は入籍前に400万円の貯金があり、これは全て頭金として使われたと考えています。
残り100万円は共有財産である家庭用貯金です。

 

したがって頭金は、ヤマトは90%(450万)、妻は10%(50万)を主張します。
(※共有財産100万を50万ずつに分ける。)


 

 

奥さまは『毎月2人で家庭用と投資用で毎月12万円を貯めてきた』と言ってます。

 

2部屋目の購入までに入籍から2年で賞与の積み立てもあったとすると、12万×24か月で288万円。さらに、賞与なども含めると投資用マンションの頭金のうち500万円は共有財産となります。

 

これを頭金として拠出したことにすると、ヤマトさんが拠出する余地はありません。

 

したがって頭金は、ヤマトさんは50%(250万)、奥さまは50%(250万)を主張します。
(※共有財産500万を250万ずつに分ける。)


 

 

毎月12万円の貯金だと!?

 

完全に嘘ではないか!
予め嘘を用意したな!


 

 

 

 

 

家庭用と投資用で毎月12万円貯金していたというのは嘘です。
入籍してからの2年で500万円もの貯金できるわけがありません!


 

 

ウソはあなたさんじゃないのかね!
奥様はね、投資用に貯金していたと言っているんだよ!


 

 

その様な嘘を認めません!


 

 

いやいや、ヤマトさんこそ私たちの主張を認めませんか!?


 

この時、何度も押し問答がありました。
しかし、私は嘘を認めるわけには行きません!
妻側弁護士は3人で主張してきますが、その様な嘘を私は頑として認めません!

 

 

妻側弁護士は、言った者勝ちの様な態度です。
証拠が無いからとはいえ、調停という場で堂々と嘘の主張をするなんて信じられません!

 

 

妻側弁護士の嘘に対して、
私もつい熱くなってしまっていました。

 

 

10分以上お互い主張をぶつけ合いましたが、らちが明きません。
仕方ないので、私は経営貢献度の議論を持ちかけました。

 

 

 

 

 

 

話を変えて、先に経営貢献度の割合を決めましょう。

 

不動産経営において、購入物件の選択、不動産屋や銀行との交渉、原状回復工事の依頼、管理会社への指示など、全て私が行ってきました。
妻はこれらに一切関与していませんし、ローンの連帯保証人になることも拒否していました


 

 

ローンの連帯保証人になることは拒否していません!


 

 

 

 

 

それもウソだ!
妻は連帯保証人を拒否していただろ!

 

どこまでウソをつく気か!
ホント信じられない!
いい加減にしてくれ!

 

こっちは話し合いに応じているのであって、嘘に付き合う気なんて全くない。
最初から妻の主張はおかしいと思ったが、離婚の話し合いは嘘つき放題なんだな。


 

 

それは嘘です。
妻は、連帯保証人は明確に拒否していました!


 

 

どっちが正しいのかね?


 

 

連帯保証人にはなっていませんが、それは結果的になっていないだけです!
最初から拒否していた訳ではありません!


 

 

妻が連帯保証人を拒否したから、私は当初は高い金利で借りるしかなかったのだぞ。


 

 

いえ、最初から拒否していました!
そのため、高い金利を支払っていたという背景もあります。


 

 

おっと。
話の途中ですが、もう一時間以上経っています。

 

本日は、そろそろ終わりです。


 

 

 

 

 

最後に一ついいですか?

 

養育費はどうしましょうか?
婚姻費用と同じ考えでは、毎月6〜8万円になると思いますが


 

 

そうですね。
その範囲になりますね。


 

 

では、本日の調停は終わります。
次回までに、頭金の拠出割合をどうするかと、寄与度について考えておいてください


 

こうして、7回目の調停は終わりました。

 

 

妻側弁護士と一時間以上、同席で議論しました。
いや、議論というより怒鳴り合いに近かったです。
お互い熱くなりすぎて、声は大きくなっていました。

 

 

もう、疲れました。
精神力の消費がすさまじいです。
なぜ、こんな目に合っているんだ…。

 

 

しかし、帰り道で、ふと思いました。

 

 

妻は、私の投資用マンションに全く興味がなかった。

 

 

しかし、妻側弁護士はどうだ。
財産分与の話し合いのためとはいえ、私の不動産をよく調べている。
確定申告や経営の資料を精査したり、評価額の査定を取ったりもしている。

 

 

すでに、妻よりも私の投資用不動産について詳しくなっている。

 

 

おそらく、世界で私の次に私の不動産に詳しいのは妻側弁護士3人だ。
次回に向けてもさらに詳しく調べてくるだろう。

 

 

この世に、
私以外に私の不動産に詳しい人がいる…。
そう思うと、少しうれしくなりました。

 

 

しかし、だからと言って妥協するわけにはいきません。
きちんと自分の権利をしっかりと主張しなければ。
隙を見せると、お金をがっぽり持っていかれてしまいます。

 

 

ここまで調停を7回行いました。

 

 

調停の前半戦の婚姻費用では、私にとって有利となりました。
前半も大変だったが、お金の大きさは後半の財産分与の方がはるかに大きい。

 

 

そして今は、その財産分与の話が峠を迎えている。
配分割合が決まれば、決着は目の前だ。

 

 

頭金の割合と経営貢献度の割合で、それぞれ80%としたい。
なんとか平均80%を目標に進めていきたい。

 

 

しかし、経営の貢献度の議論ではかなり激しい応酬となっている。
当然、次回も妻側弁護士の反発は予想される。

 

 

この時、私は自分の状況をとても冷静に考えることができました。
もう7回も調停をこなした結果、ある意味悟りの境地にいる感じです。

 

 

そうです。

 

 

私はいま、有利な状況にいるのです。
私のペースで話を進めることができるのです。

 

 

私には『切り札の台詞』があることに気付きました。
妻側が強く反発すれば、『切り札の台詞』を言えば良いのです。

 

 

『切り札の台詞』と何か。

 

 

その『切り札の台詞』とは、『私の主張が受け入れられないなら、離婚条件の話し合いを止めても良いのですよ』です。

 

 

私は『離婚しないという選択肢を残しながら』離婚条件の議論に応じています。

 

 

一方、妻側弁護士は、調停が不調になって裁判を起こしても、決定的な離婚事由が無いため裁判しても勝てないでしょう。そのため、妻が離婚したいなら私の言う条件を飲まざるを得ないのです。

 

 

この議論の決定権は、調停委員でも裁判官でもありません。
離婚拒否権を持ったまま議論をしている私なのです。

 

 

妻側弁護士が早期に離婚を成立させるには、ある程度私の主張を受け入れる必要があります。

 

 

私は圧倒的に優位な立場にいます。
そのことを妻側弁護士に強く認識させながら、主張を展開させていけばいいのです。

 

 

ただ、『切り札の台詞』を何度も使うと調停を本当に打ち切ってしまうかもしれないので、実際に効果を発揮するのは2,3回まででしょう。

 

 

もちろん、完全に理想通りとなることは想定していません。
多少の金額の増減があったとしても、理想に近い着地であれば良しとします。

 

 

不動産の財産分与の議論も、佳境に迫ってきました。
ここまで来たら、自分を信じて進むのみです。

 

 

今までは、3人の妻側弁護士に言葉で圧倒されてきました。

 

 

しかし、これからはヤマトの反撃開始です!

 

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