STEP2!離婚への準備

相談事例

離婚すべきかどうか悩んでいたあなたは、必死に自分の心に向き合った。

 

お金・子ども・自分の心の声…。

 

だが、どれだけ考えても離婚の気持ちは揺るがない。
もう完全に離婚への気持ちは固まった。
早く離婚したいあなたは相手に離婚請求をしようとしていた。

 

だが、何の準備も無いまま離婚請求してもいいのだろうか。

 

離婚を切り出しても、相手が応じてくれるとは限らない。
むしろ、相手が意地となって離婚を拒絶してくるかもしれない。

 

しかし、これ以上は一緒に暮らすのは我慢の限界だ。
さっさと荷物をまとめて家を出て行きたい。

 

しかし、何の準備も無く家を飛び出していいのか。
早く離婚したいからと言って、勢いで別居や離婚請求してもいいのか。

 

早く別居したい気持ちを抑えてじっくり考えた。
弁護士に相談して情報を集めた。

 

その結果、離婚は準備が非常に重要だということを知った。

 

確かに、離婚したい場合は別居して徐々にでも距離を離していくのが確実だ。
それに、別居の実績が3年以上あれば離婚が認められる。
実際には、その前に相手が現実を見て離婚に応じる可能性が高いらしい。

 

確かに、別居は離婚にとても有効な方法だろう。

 

だが、もし別居開始すると、この家に入れないだろう。
そのため、家を出る前に、将来的に離婚協議や離婚調停になった際、有利になるための準備をしておくべきなのだ。

 

勢いで別居して、離婚協議や離婚調停で苦労している人もいるらしい。
同居中にできる限りの準備をしておきたかったと口を揃えて言うらしい。

 

今はまだ相手と同居中だ。
ならば、離婚を有利に進めるためにもやっておくべきことがある。

 

勢いで別居開始や離婚請求しなくて良かった。
お金も子どもも有利な条件にしたい。

 

別居までに、やることができた。
それは、スムーズで有利に離婚するための準備だ!

離婚は準備していた側が圧倒的に有利

あなたが離婚したいと思っていたとしても、相手が素直に離婚に応じるとは限りません。また、あなたの希望の条件で離婚できるとも限りません。

 

あなたから離婚を切り出す場合、できるだけスムーズに離婚の合意を取り付けたいはずです。また、お金や子どもに関する離婚条件は、できるだけ有利にしたいはずです。

 

そのために重要なのは、離婚の準備なのです。
この離婚のための事前準備は、スムーズに合意させるための準備と、有利な条件にするための準備に分けることができます。

 

スムーズに離婚に合意させるための準備

離婚の話し合いは、協議→調停→裁判の順で行うことになります。

 

協議とは、夫婦で直接話し合うことです。
調停は、裁判所で調停委員という人を介してお互いが意見を主張し合います。
裁判は、裁判官による判断を仰ぐことです。

 

協議で離婚する場合は、離婚の理由は何であっても問われません。お互い納得できれば、離婚が成立するのです。そうなれば、あとは離婚条件を決めていくだけです。

 

あなたが離婚をしたいと相手に伝えた時、相手が素直に離婚委合意してくれれば、離婚成立に向けて大きく前進します。

 

ただし、相手が離婚に素直に合意してくれるとは限りません。離婚を請求された側としては、まさかあなたが離婚を望んでいるなんて思ってもいません。いきなり離婚を請求されると、多くの場合、必死に離婚に反対してきます。

 

離婚するかどうかの押し問答が始まると、お互い感情的になってしまってまともな会話もできなくなってしまいます。そうなると、話し合いが進まないという状況になってしまいます。

 

相手が離婚に合意しない理由は様々です。まだあなたを愛しているといった事情もあれば、離婚を切り出したあなたを困らせてやろうと思っている場合もあります。

 

離婚を切り出すと、相手は今までとは異なる接し方をしてくる場合が多いです。非難や罵声が増える人もいれば、急に優しくなる人もいます。

 

また、弁護士に相談したり専門書を読んだりして、『証拠が無い場合は裁判しても離婚が認められないよ。離婚に合意して欲しいならお金と子どもは置いて行ってね』などと、下手に知識を付けてしまう場合もあります。

 

スムーズに離婚するための最も良い方法は、相手に離婚原因がある様なら決定的な証拠を揃えておくことです。『どうせ裁判したら離婚が認められるのだから協議で離婚に合意しなさい』、といった強い立場で離婚を切り出すことができれば最高です。もし決定的な証拠を持っていれば、相手はその前の協議や調停の時点で離婚に合意するでしょう。

 

裁判で離婚が成立するための5つの離婚事由

裁判で離婚が成立するためには、離婚原因と決定的な証拠が必要です。離婚が認められるためには、次の5つの離婚事由のどれに当てはまらなければならないのです。

 

離婚事由とその証拠例
  1. 不貞行為(不倫)
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 重度の精神病
  5. 婚姻を継続し難い重大な事由

 

裁判において、あなたの主張を裁判官に認めてもらうには、決定的な証拠が必要です。決定的な証拠が無い場合、あなたがいくら離婚を主張しても裁判では認められません。その場合、離婚したいけど離婚できないという状況となってしまいます。

 

これらの離婚事由と準備しておくべき証拠について、もう少し詳しく説明します。
※ただし、準備した証拠にどれほど証拠能力があるかは、事前に弁護士に相談しましょう。

 

@不貞行為(不倫)とは!?

世間的には、配偶者以外と食事に行くだけで浮気や不倫と言われる場合があります。

 

しかし、世間で言う不倫と、裁判で離婚が認められる不貞行為(不倫)とは少し違います。

 

裁判で離婚が認められる不倫とは、配偶者以外と複数回にわたって肉体関係を持つこと、なのです。例え手をつないだり抱擁したりしても、裁判では不貞行為(不倫)とは認められません。

 

また、例え肉体関係(セックス)があっても、一度だけの場合だと離婚は認められません。一度きりの場合は、勢いでの行為だったと考えられるとともに、夫婦で話し合って乗り越えていくべき壁だとも考えられるのです。

 

@不倫(不貞行為)の証拠例

不倫の証拠となるのは、ラブホテルに出入りする写真が定番です。ラブホテルはセックスをする場所なので、ラブホテルに出入りしたことは肉体関係があった(セックスした)という強力な証拠となるのです。

 

ビジネスホテルや高級ホテルだと証拠能力は乏しいです。打ち合わせをしていただけと言い訳されてしまう場合があるのです。

 

ただし、不倫の証拠を揃えるには非常に難しいです。普通の人は、配偶者が不倫相手とラブホテルに出入りする写真を撮影することは、時間的にも手間的にもほとんど不可能です。どうしても証拠を揃えたいなら、興信所や探偵に依頼するのが確実です。

 

A悪意の遺棄とは!?

夫婦は、同居してお互い助けあって生活する義務があります。一方が理由もなく家を出て行くと、夫婦としての同居義務に違反します。

 

また、夫が仕事・妻は家事という役割の場合、夫が会社からの給料を得ても自分の好きなことだけに使ってしまう場合、夫婦として協力して生活するという義務に違反していることになります。

 

このように、夫婦で助け合って生活するという約束を破ることを、悪意の遺棄と言い、立派な離婚事由となります。

 

A悪意の遺棄の証拠例

同居を拒絶するように至った背景やその期間、通常渡すべき生活費の金額と渡していない期間などを記録しておくべきです。また、メールやラインのやり取りなども証拠となり得ます。

 

ただし、不倫や暴力などとはことなり、細かい証拠の積み重ねで説明するしかないでしょう。

 

B3年以上の生死不明とは!?

相手が行方不明になって3年以上経つと離婚事由に該当し、離婚は認められます。ただし、間接的に連絡を取っていたり、たまに連絡があるなど、生きていることが確認できる場合は当てはまりません。

 

C強度の精神病

配偶者が強度の精神病になった場合、離婚が認められる場合もあります。ただし、過去の判例から、未成年の子供がいないことや離婚後も配偶者の生活を保障することなど、高い条件を満たさなければなりません。

 

D婚姻を継続し難い重大な事由とは!?

具体的な行為としては、暴力、暴言、精神的虐待(モラハラ)などが該当します。日常的に暴力等が行われていた場合、安定した生活を営むことなどできません。ただし、具体的な頻度や回数などの決まりはなく、個別事案ごとに判断されます。

 

また、具体的な行為が無くても、夫婦の信頼関係が破綻している状況なども、重大な自由として離婚が認められる場合があります。完全別居が何年も続いていたり、どちらかが事件を起こして逮捕されてしまったり、双方が相手に対して裁判を起こしていたりしていると、夫婦関係は破綻していると見なされます。

 

D婚姻を継続できない重大な事由の証拠例

暴力は、相手から受けた記録として医師の診断書を取得しておきましょう。また、傷の写真やその時の状況を記したメモなども証拠となります。

 

暴言や精神的暴力(モラハラ)は、相手の発言を録音しておきましょう。日誌も積み重なれば証拠となり得ます。

 

離婚が認められる様な証拠が無い場合

裁判で離婚が認められるためには、5つの離婚事由のどれかに基づいた主張しつつ、決定的な証拠を提示する必要があります。もし、決定的な証拠が無い場合や証拠の証拠能力が弱い場合、離婚は認められません。

 

あなたが相手と離婚するための決定的な証拠を持っておらず、相手も離婚に合意しなければ、早期の離婚は期待できません。ただし、その様な場合でも離婚するための方法はあります。その方法とは別居です。

 

どうしても離婚したい場合は別居しよう

離婚したくても、明確な離婚事由や決定的な証拠が無い場合があります。それでも別居すれば、最終的に離婚成立がする可能性が高いのです。実際に、3年以上完全別居の実勢があれば、裁判で婚姻関係は破綻していると見なされて離婚が成立する可能性は高いのです。

 

そのため、離婚したいと思った場合は、できるだけ早い時点で別居を考えるべきです。

 

離婚条件を有利にするための準備

相手が離婚に合意すれば、次は離婚条件を話し合うことになります。

 

離婚に合意できたら、お互いに子どもは自分で育てたい・お金はできるだけ多く受け取りたいと思うはずです。この離婚条件の話し合いは、想像以上に激しくなる場合があります。

 

離婚条件の話し合いも、準備していた方が有利です。そのため、離婚を決意した瞬間から離婚条件もできるだけ有利にするための準備はしておくべきなのです。

 

離婚条件で話し合う内容とは!?

離婚条件は、大きく分けてお金と子どもについて話し合うことになります。

 

離婚条件で話し合う内容

お金のこと
  • 養育費
  • 慰謝料
  • 財産分与
 
子どものこと
  • 親権
  • 面会交流

 

これらの離婚条件は、準備をするかどうかで大きく変わる可能性があります。特に、慰謝料や財産分与をできるだけ多く受け取りたいと考えている場合は、入念な準備が必要。

 

ここでは、その方法を一部紹介しましょう。
(詳しくは、相談事例や基礎知識で説明しています)

 

慰謝料をできるだけもらうための準備とは!?

慰謝料は、相手の行為が原因で受けた精神的被害の賠償です。

 

慰謝料をもらうためには、相手の不貞行為(不倫)・暴力・暴言・精神的虐待(モラハラ)などが行われた証拠を揃える必要があります。裁判は証拠主義なので、曖昧な証拠では決して認められません。

 

 

財産分与をできるだけもらうための準備とは!?

離婚すると、婚姻期間中に二人で増やした資産(お金や家など)を分けることになります。これを、財産分与と言います。

 

財産分与前に相手が資産を隠したり浪費したりしないように、できるだけ家庭の資産を確保しておくべきです。また、どれだけの財産を保有しているか把握するためにも、相手の全ての銀行口座と支店名は調べておきましょう。

 

離婚を切り出すタイミングは別居と同時!

本気で離婚したいなら離婚宣言と同時に別居開始すべきです。

 

そう考える理由は3つあります。

 

【理由@】離婚請求時に別居開始すべき理由

1つ目の理由は、相手と距離を持つためです。

 

共同生活するためには、家賃や光熱費などのお金の決め事が必要です。
しかし離婚宣言をすると、ただでさえ仲が悪い関係がさらに悪くなります。
そうなると、同居するための協力体制が難しくなり、もはや共同生活を営むことはほぼ不可能です。

 

それどころか、争いが激しくなると同居していることがマイナスに働く場合もあります。相手が怒りに任せて暴力に及んでしまうかもしれません。また、離婚する場合に備えてあなたの資産を奪おうとするかもしれません。

 

また、相手と別居して3か月も経つと、相手は一人での生活に慣れてくるのです。そうなると、離婚に応じやすくなるのです。

 

【理由A】離婚請求時に別居開始すべき理由

2つ目の理由は、調停や裁判となった時に、離婚に向けて既に別居していると伝えるためです。

 

もし本当に離婚したいのなら、相手と一緒に生活するなどできないはずです。たとえ家庭内別居であっても、一緒に住んでいる時点で離婚するほどの破綻状態とは見なされないでしょう。

 

調停や裁判となった時、あなたが既に別居していると、調停委員や裁判官はあなたが本気で離婚したいと思わせることができるでしょう。

 

【理由B】離婚請求時に別居開始すべき理由

3つ目の理由は、離婚成立のための別居の実績を作るためです。

 

裁判で離婚成立のための証拠が無くても、別居の実績が3年以上あれば実質的に夫婦関係は破たんしていると見なされて離婚が認められやすくなります。そのため、できるだけ早くから別居を始めることで離婚成立の実績を作り始めておくべきです。

 

ただ、別居を始めると、実際には3年経つ前に離婚に合意することが多いのですが。

 

離婚の準備が整ったら…

早く離婚請したいと思っていても、スムーズに離婚したいはずです。また、どうせ離婚するのならお金も子どももできるだけ有利に離婚したいはずです。

 

そのためには、入念な準備が必要なのです。我慢して同居しながらの準備は大変です。しかし、ここでしっかり準備をしておくことで、離婚の話し合いを有利に進めることができ、離婚後の生活もより楽になるのです。

 

さて、準備が整ったら、いよいよ離婚を切り出しましょう。