第3話
離婚について調べた結果、財産資料はレンタル収納スペースに預けることに!

離婚相談番外編画像_離婚調停物語_3

妻が出て行って2日目(日曜日の午後)

 

姉との電話で、私は少し冷静さを取り戻した。
少なくとも、一呼吸して考えられるようになった。

 

 

私は、すぐさま近くの書店に向かった。
何の本を買うかって?
決まっている。
離婚対策の本だ!

 

 

私は、ただのサラリーマンだ。
離婚の知識なんて全くない。
先を見据えて、少し詳しい書籍も買っておこう。
色々見てみたが、とりあえずこれらは読みやすそうだ。

 

 

『離婚調停』(日本加除出版)421ページ
『離婚判例ガイド』(有斐閣)332ページ

 

 

まずは、離婚の概要を読んでみよう。

 

 

離婚の話合いには、協議、調停、裁判というプロセスがある。
現実には離婚に至る組のうち、
90%は協議、10%弱は調停で離婚成立する。
それでも解決しない約1%は裁判で離婚が決まる。

 

 

裁判で離婚を認められるには、以下の5つのどれかの事由が必要だ。
・不貞行為
・悪意の遺棄
・3年以上の生死不明
・強度の精神病で回復の見込みがない場
・婚姻を継続しがたい重大な事由(暴力や性格の不一致)

 

 

今回の言い争いは、ただの喧嘩の延長だ。
1〜4はまずないだろう。
そうなれば、5番目か?
だが、喧嘩が5番目に該当するのかどうかは素人には分からない。

 

 

――婚姻費用
始めて聞く言葉だ。

 

 

え!?
婚姻関係にある場合は、
例え別居中でも理由を問わず生活費を支払う義務があるだと!?

 

 

今回、妻は言い争いがきっかけで家を出て行って帰ってこない。
こんな場合でも毎月生活費を支払う義務があるのか。
なんという制度だ!

 

 

婚姻費用は、お互いの年収で決まるのか。

 

裁判所のHPの算定表に、年収などを当てはめると簡単に決まるのか。

 

私の給与年収は約600万円。
妻の年収は350万。
1歳の子供が一人。

 

算定表に当てはめると、毎月8〜10万円か。

 

 

だが、私は3年程前に不動産投資を始めた。
現在、投資用マンションを2部屋所有している。

 

 

それらも収入として見なされるかもしれない。
そうなると、婚姻費用はどのくらいになるのだろうか?
15万円とかそれ以上になってしまうのか?

 

 

あぁ、目まいがする…。
現実からは目を背けたくなる。

 

 

――財産分与
離婚するとなると、大きく揉める事柄だろう。
婚姻時代に蓄えた財産は、基本的には均等に分けるのか。

 

 

所有する2部屋の投資用マンションは婚姻期間中に買った。
購入価格は、2部屋で約6,000万円。
現在のローン残高は約5,000万円。

 

 

財産分与の対象額は、不動産の価値からローン残高を差し引くのか。
投資用マンションの価値は、さすがにローンを上回っているだろう。

 

 

だが、はたしてどのくらいになるだろうか!?
100万?200万円?

 

 

あと、家庭用の貯金は600万円ほど増えた。
これの半分も妻のものとなるのか。

 

 

貯金と不動産を合わせると、財産分与はかなりの金額となるだろう。

 

 

資産は、ほぼ私の努力によって築いてきたと自負している。
それでも、半分は妻のものとなるのか!?

 

 

あぁ、頭がクラクラする…。
頭がおかしくなりそうだ。

 

 

――親権
子供をどちらの親が世話していくか決める。
子供とは一緒に生活したい。

 

 

しかし、現在の日本の司法判断では、
父親に親権が認められることはほぼ無いのか。

 

 

――面会交流
定期的に子供に会うことか。
両親が離れ離れになっても、
子供は、父と母の両方から愛を受けるべきだ。

 

 

私も、子供の成長はずっと見ていたい。
あぁ、できることならずっと近くで見ていたい…。

 

 

巷でよく言われている言葉を思い出した。

 

 

『離婚は、結婚の三倍苦労する』

 

 

この言葉の意味が分かった気がする。
離婚について話し合うことになると、
この全ての条件を話し合う必要があるのだ。

 

 

これは、相当苦労しそうだ。
相当揉めることになるだろう。

 

 

離婚について調べてうんざりしていた。
そんなとき、ふと妻のことを考えてみた。

 

 

妻は今何を考えているのだろう。

 

 

もしかしたら、妻も既に離婚について考えだしているかもしれない。
となれば、私の管理する投資用マンションについても考えが及んでいるはずだ。

 

 

もし離婚するとなると、この投資用マンションで揉めるだろう。
家庭用の貯金もそうだが、我が家にとっては大きな資産だ。
ローンは残っているものの、不動産の資産価値もそれなりに大きいだろう。

 

 

妻が弁護士を雇ったら、まずは全財産を確認しようとするだろう。
妻は家の鍵を持ったまま出て行った。
いつでも家の中に入ることができる。

 

 

もし貯金や不動産の資料が奪われたら大変だ。
これらは、私の手元で保管しておかなければならない。

 

 

どうしようか…。

 

 

良いことを思いついた!
家の近くにレンタル収納スペースがある。

 

 

しかも、思ったより費用は安く済むらしい。
書類程度なら、なんと1,000〜2,000円程度で預けることができるという。

 

 

不動産関係など妻に見られたくない資料は、そのレンタル収納スペースに置いておこう。
すぐに必要になる物は、私の会社に置いておこう。

 

 

思いつくと行動は早い。
旅行用スーツケースに不動産関係の書類を全て詰め込んだ。

 

 

さぁ、出発だ!

 


 

しかし、家を出た瞬間思った。
探偵を雇って、行動を把握されていたらわざわざ隠した意味がない。
妻側はそこまでするだろうか?
しかし、可能性はゼロではない。

 

 

もしかしたら、今見られているかもしれない。
レンタル収納スペースのある最寄駅で待ち構えているかもしれない。
駅まで歩いて行くのは危険だ。

 

 

どうしたら後を付けられないか。
考えろ!しっかり考えるんだ!

 

 

よし、思いついた!

 

 

探偵を振り切る方法@

歩道から周囲を見渡すヤマト。

 

走っているタクシーを止める。
急いで乗り込み、2つ程隣の駅を目指す。
できるだけ他の車が通らない道を指示する。

 

常に後ろを見て、尾行されていないか確認。
誰も付いてきていない。

 

よし、OK!

 

タクシーを降りて電車に乗る。
目的の駅までは1時間程。停車駅は約10駅。

 

もう大丈夫だと思う。
しかし、まだ油断は出来ない。
念には念を入れよう!

 

 

探偵を振り切る方法A

目的地でない駅で敢えて電車から降りる。
そして、電車のドア沿いにホームを歩く。

 

電車が発車しそうになると音楽が流れる。
音楽が鳴り終わると同時に、電車に飛び乗る。

 

私の後から慌てて乗ってくる人がいないことを確認。

 

よし、OK!

 

 

さらに、もうひとつ!

 

 

探偵を振り切る方法B

目的の駅に着いてもすぐには降りない。
発車音が鳴り終わると同時に、
思いついたかのように電車を降りる。

 

そして、私より後から降りてくる人がいないかをホームを見渡してチェック。
(先頭か最後尾の車両で行えば、一方向のみを見るだけなので楽だ)

 

私の後から降りる人はいない。

 

よし、OK!

 

まっすぐ行けば30分で着くところを、1時間かけてレンタル収納スペースに到着。

 

 

毎月1,200円の収納スペースを契約した。
資料が入ったスーツケースを物置に入れてをかけた。

 

 

よし。
これで一安心。

 

 

帰りの電車に乗ると、
姉からラインが来た。
妻に送ったラインが既読になった、と。
私から妻へのラインも既読になっている。

 

 

少しうれしくなった。
私の気持ちが妻へ伝わったかもしれない。

 

 

しかし、喜んだのも束の間だった。
現実は甘くはなかった。

 

 

私と妻は共に、ラインの友人グループや親族グループに入っている。
妻は、それらの全てのラインのグループから脱退したのだ。
妻は、私と繋がりがある人間関係全てを絶縁しにかかっている。

 

 

悲しすぎて言葉が出なかった…。

 

 

離婚相談番外編画像_離婚調停物語_3-2

 

 

家の最寄駅に着くと夜9時を過ぎていた。
家までの道を歩いていると、
妻との思い出が頭に浮かんできた。

 

 

出会いのきっかけ。
初めてのデート。
キス。お泊り。告白。旅行。
楽しかった結婚生活。
二人にそっくりなかわいい娘。

 

 

笑っている
怒っている
そして、幸せそうな

 

 

あたりが暗くなっていて良かった。

 

 

なぜかって!?

 

 

まわりを気にせず、
思いっきり泣けるのだから。

 

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