不倫の相談事例

家族構成

イラスト_男性40代

 

 

夫A氏(40代)
会社員

 

イラスト_女性40代

 

(相談者)
妻Bさん(40代)
会社員

 

イラスト_女の子

 

13歳(長女)
中学生

 

私の心は、最近とてもモヤモヤしている。
事の発端は半年前に遡る。

 

 

夫の不倫が発覚したのだ。
1年に渡って、会社の元後輩Cさんと男女の仲にあったのだ。

 

 

不倫相手Cさんは1年前の転職の際、会社では送別会が開かれた。
夫と不倫相手Cさんは、その送別会で話をして大変盛り上がった。
送別会で意気投合した夫と不倫相手Cさんは、後日2人で飲みに行くようになった。

 

 

不倫相手Cさんは、背が低くてカワイイ系。
夫の大好きなタイプだ。
2人が男女の仲になるのに時間はかからなかった。

 

 

夫の帰宅時間が遅くなりだしたのもその頃だ。
早くに出世街道から外れて窓際族なのに、忙しいとか言い出したのだ。
それからというもの、週末の金曜は決まって夜中に帰ってくるようになった。

 

 

ある日、帰宅した夫のスーツから甘い香りがしたのだ。

 

 

夫には女がいる。

 

 

私は女の気配を感じとった。

 

 

その夜、夫が寝ている間に夫のカバンを調べようとした。
すると、夫のスマホが光った。
誰かからラインが届いたようだ。

 

 

待ち受け画面にメッセージが表示される。
それを見た私は固まってしまった。

 

 

Cさん
「Aさん、今日はありがとう!
今日もエッチ良かったよ。
このままアパホテルに泊っていくね」

 

 

私は混乱しながらも、
自分のスマホでそのメッセージ画面を撮影した。

 

女性73_悩み1

 

翌日の昼過ぎ。

 

 

夫は、パジャマのままリビングで正座させられている。
私に不倫を疑われた夫は、最初ははぐらかそうとしていた。
だが、私はなんでも知っているふりをした。

 

 

夫は、私からの問い詰めに窮していた。

 

 

なぜ、妻は昨晩女性と会っていることを知っている!?
なぜ、妻はその女性の名前がCということも知っている!?
なぜ、妻はアパホテルに行ったことを知っている!?

 

 

なぜ?なぜだ?
なんで知っているんだ!?

 

 

夫は冷汗が止まらなかった。
観念した夫は、妻の質問に正直に答えるしかなかった。

 

 

不倫相手Cさんはいったい誰なのか。
いつから2人で会うようになったのか。
どこに行ったりしたのか。
スキンシップや性行為はあったのか。

 

 

全てを白状した夫は抜け殻になった。
そして私に必死に謝った。
私は、呆れるしかなかった。

 

 

1週間後の週末。
私は夫は家族で都内の高級レストランにいた。
普段は行かないようなところだ。

 

 

なぜ、そんなところへ来ているのか。
私や娘の誕生日でもない。
結婚記念日でも、クリスマスでもない。

 

 

私への償いのためだ。

 

 

夫が不倫相手Cさんとの不倫を白状した後、私は激怒した。
私の怒りは3日経っても収まらなかった。

 

 

夫は、離婚は回避したいと思った。
私に「何でもするから許してほしい」と懇願した。

 

 

最初、私は離婚を考えていた。

 

 

だが、夫は不倫したとはいえ、普段は私にも娘にも優しい。
暴力や暴言も無い。家事も育児もしてくれる。
むしろ、生活費や子どもの教育を考えると、離婚は現実的ではない。

 

 

夫が必死に謝る姿を見て、私は夫の不倫を許そうと思った。

 

 

その代わり、高級レストランとブランドのバックを要求した。
夫は自分の小遣いから、私へプレゼントした。

 

 

全ては、一件落着…のはずだった。

 

女性73_笑顔2

 

夫の不倫発覚から1か月が経とうとしていた。
だが、私のモヤモヤした気持ちは収まらない。

 

 

夫の謝罪と反省は本物だと感じた。
夫の謝罪する姿を見て、一度は不倫を許すことにした。

 

 

高級レストランにも連れて行ってもらったし、ブランドのバッグも買ってもらった。
それで、今回の事は全て忘れるつもりだった。

 

 

しかし、時間が経ってもモヤモヤが解消されない。
むしろ、日に日に高まってくるのを感じる。

 

 

夫は、他の女と肉体関係を持っていた。
夫は、家庭を見捨てて女遊びをしていた。
夫は、完全に私を裏切っていた。

 

 

私の気持ちはやはり収まらない。
もはや気持ちは離婚へまっしぐらだ!

 

 

離婚を決意して弁護士に相談しにいった。

女性73_悩み3

この事例の争点

不倫は立派な離婚事由です。
離婚の原因としての不倫(不貞行為)は上位にランキングされます。

 

 

不倫を原因として離婚するためには、不倫した側が自白するか、不倫された側が裁判で決定的な証拠を示さなければなりません。

 

 

夫A氏は、会社の元後輩のCさんとの不倫関係を認めました。さらに、妻Bさんは、不倫相手Cさんが夫A氏に送った肉体関係を認めるラインを証拠として持っています。この状態だと、不倫は裁判で認められるでしょう。

 

 

ただ、妻Bさんは一度夫の不倫を完全に許しています。夫A氏からの謝罪と高級レストランでの食事、そしてブランドバッグを購入してもらったことで、夫の謝罪を受けいれたのです。

 

 

妻Bさんが離婚を決意したのは、夫の謝罪を受け入れた後なのです。
この事例では、一度許した不倫を原因として離婚ができるのかが争点となっています。

 

 

では、この事例に似た過去の判例を紹介します。

女性モデル08_笑顔20

判例の紹介

判例@

東京高裁

平成4年12月24日判決

判事1446号65頁

妻の不貞行為が発覚したが、妻は謝罪して夫は完全に許しました。
その後4〜5ヶ月は平穏に暮らしていたが、夫は妻がまた不貞行為をしていると疑って、束縛などをして妻を攻め続けました。

 

その結果、妻は夫に対して嫌悪感を持つようになり、子どもを連れて家を出て、妻から夫へ離婚を請求しました。
それに対して夫は、「妻は不倫をしていた有責配偶者なので離婚請求はできない」と主張しました。

 

東京高裁は、
いったん宥恕ゆうじょ(許すこと)した場合には、過去の不貞を理由に有責配偶者であると主張することは信義則上許されない』
として、夫の主張を退けて、妻からの離婚請求を認めました。

 

この判例は、不倫した妻をいったん夫が許したものの、その後に妻から離婚を請求しました。
その際、夫は「不倫していた妻は有責配偶者」だと主張をしたが、裁判所は夫自身が一度許していたことを理由に夫の主張を退けたのです。

 

宥恕ゆうじょとは

一般的に、罪を許すことを言います。
離婚事件などにおいて、一度宥恕ゆうじょしたことは、基本的に法律判断の材料とはできないのです。

 

結論

この判例から、一度相手の不貞を許した場合、その後に離婚や慰謝料の争いが起こっても、過去の不貞は材料視できないということが分かります。

 

 

この事例では、夫A氏は妻Bさんに謝罪し、高級レストランに連れて行ったりやブランドバックを買い与えたりして、妻Bさんは夫A氏を完全に許しました。そのため、妻Bさんは、一度許した不倫を理由として離婚請求を起こしても、離婚成立も慰謝料請求も認められないでしょう。

 

 

この場合、妻Bさんは、夫を許すかどうかを、もう少し時間をかけて判断すべきだったのです。

 

まとめ

一度不倫を許すと、それを理由にしての離婚や慰謝料は認められない!

 

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