第15回 離婚相談
養育費の金額を決めずに支払っていたが決め直せる?

 

離婚カウンセラーの
ミライです。


 

離婚成立を急ぐあまり、養育費の金額を決めずに離婚する場合もあります。

 

父親の善意で相場よりも高めの金額を払い続けていた場合、途中で変更は認められるでしょうか。
それとも、既成事実として合意したと見なされてしまうのか。

 

今回の相談者は、長年合意していない金額を養育費として振り込み続けてきたが、今になって正式に金額を決めたいと考えている元夫さんです。

 

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≪相談の背景≫
養育費の金額に合意していないが、振りこみ続けていた

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家族構成

イラスト_男性40代

 

(相談者)※離婚済
元夫A氏(40代)
会社員

 

 

イラスト_女性30代

 

 

元妻Bさん(30代)
パート社員

 

イラスト_男の子

 

10歳(長男)
小学生

 

イラスト_男の子

 

8歳(次男)
小学生

 

うーん。
今月から支払いを止めようか。

 

 

俺は、養育費の振込のために銀行の窓口に行ったのだ。
だが、悩んだ挙句、振り込み手続きをしないで銀行を後にした。

 

 

なぜ、俺が養育費の支払いを止めたのか。
誰にも話せない俺の心の声を、ぜひ聞いてほしい。

 

男性010_笑顔1

 

元妻とは、3年前に離婚した。
離婚原因は、性格の不一致。
不倫や暴力やDVなどは一切ない。

 

 

毎日激しい言い争いを繰り返していて、お互い離婚を考えていた。

 

 

どちらともなく言い出した離婚は、すぐに決まった。
財産分与は、貯金がほとんどなかったので揉めなかった。
だが、養育費はなかなか決まらなかった。

 

 

俺には、2人の子どもがいる。
今頃、小学3年生と5年生だ。

 

 

子どもがいるため、養育費は決めなければならない。
具体的な金額は、算定表から決めようとした。

 

 

俺の年収は、650万円。
妻の年収は、100万円。
子どもは、幼い子が2人。

 

 

算定表を基にすると、養育費は毎月6〜8万円となる。

 

 

しかし、私の年収は今後下がっていく見込みだった。
ちょうど、子会社に出向を命じられた直後だったのだ。

 

 

年齢的には、かなり早い肩たたきだ。
あぁ悲しき会社員人生。

 

 

養育費を決める時、金額のことでかなりもめた。
俺は今後年収が下がるのだから、今の年収をずっと適用し続けるのはおかしい、と言った。
だが、妻はあくまで前年度の年収で計算することにこだわった。

 

 

何度か協議をしたが、養育費の金額が決まらないまま離婚することになった。
もちろん、離婚条件を書いた契約書なども作っていない。

 

 

 

財産分与は、その日のうちに清算した。
養育費は、『そのうちまた話し合いましょう』となったままだった。

 

 

ただ、俺は子どもを作ったことに責任を感じていた。
例え離れ離れになっても、俺の血を分けた存在だ。
親として、養育費を支払わなければと思った。

 

 

きちんとした取り決めが無いまま、相場以上である10万円を振り込み始めた。

 

 

これで、子どもたちはある程度余裕をもって暮らせるだろう。
父親として、十分以上の責任を果たしていくつもりだった。

 

 

 

離婚から、2年ほど経った頃だった。

 

 

そろそろ離婚後の一人暮らしにも慣れてきた。
子会社での窓際生活にも慣れてきた。

 

 

だが、最近は養育費の支払いを億劫に感じる。

 

 

取り決めてなかったとはいえ、面会交流をしていない。
子どもの状況は、元妻のインスタとフェイスブックで知るのみ。
子どもは大切だが、2年も直接会ってないと愛情が…。

 

 

養育費を支払うの、止めようかな。
だが、疑問に思いながらも毎月10万円の養育費は振り込み続けた。

 

 

ちゃんと養育費を払っているのだから、少しくらい子どもに会わせて欲しい。
このまま一生会えないかもしれない。

 

 

大きな不安が、頭よぎった…。

 

男性010_悩む2

 

離婚から3年が経った。

 

 

もう限界だ。
養育費としてお金を振り込んでいるが、何も音沙汰なしとは。

 

 

別にお金に困っているわけではない。
子会社に来て年収が少し下がったとはいえ、生活には困ってない。

 

 

新しい家族ができたわけでもない。
非イケメンの俺は、再婚の予定は今のとこ無さそうだ。

 

 

では、なぜ養育費の支払いを止めようと思ったのか。
それは、元妻の態度のせいだ。

 

 

何度も子どもの動画を要求したのに、全部無視された。
養育費をきちんと支払っているのに、面会交流をさせてくれない。

 

 

3年も養育費を受け取っていながら、子どもに会わせないし写真も見せないなんて。
子どもの顔すら見ていないので、養育費を支払うモチベーションが維持できない。

 

 

むしろ、よく今まで我慢して支払ってきたものだ。
離婚契約書も取り交わしておらず、金額も決まってない。

 

 

それなのに、相場以上の10万円をずっと支払ってきた。
それだけでも十分感謝に値するのではないか。

 

 

しかし、問題がある。

 

 

合意していないとは言え、養育費は10万円を支払い続けてきた。
いまさら金額の変更を認められるのだろうか。

 

 

今の年収を基にして算定表で養育費を求めれば、今の毎月10万円よりも安くなる。だいたい、6〜8万円といったところだ。

 

 

だが、妻は今まで支払っていた10万円請求をしてくるかもしれない。
何かしら理由を付けて、下げさせないようにするかもしれない。

 

 

金額は、改めて協議を行って決めることができる?
それとも、今まで通りの金額を支払うことになるのか?

男性010_悩む12

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≪離婚相談の内容≫
合意なく払っていた養育費の金額は既成事実となる!

背景の要約

離婚時に、養育費の金額は決めなかったが、元夫A氏は算定表よりあ高い金額を支払い続けていた。
だが、3年経っても元妻は面会交流も応じてくれず、写真さえ見せてくれない。
元夫は、今から養育費の金額の変更は可能だろうか考えていた。

<<戻って相談の背景を見る

 

 

養育費に関して、相場よりも高い金額を払ってきたが、今から相場通りに変更したいということですね?


 

 

 

 

 

その通りです。

 

私は、養育費は父親としての義務だと考えています。
ただ、金額を相場通りにしたいと思っているだけです。

 

私の場合、元々養育費の金額が合意していません。金額が決まらないまま離婚を成立させてしまいました。

 

 

離婚後、私は算定表の相場よりも高い10万円を毎月支払ってきました。しかし、元妻は2年もの間。面会交流も応じてくれず、子どもの動画を見せようともしないのです。そんな元妻の態度がきっかけで支払いを止めようとしています。


 

 

養育費に対する考え方がとても立派ですね。
ただ、もし養育費を下げる場合、元奥さまへの生活の影響はどうでしょうか?

 

毎月10万円が支払われている間、元奥さまがAさんからの10万円を頼りに日々の生活を送ってきていました。元妻さんも仕事をしている様ですが、毎月10万円があるのと無いのでは生活水準が全く違ったものになります。


 

 

 

 

 

 

元妻は、当然もらえると思っていた10万円ものお金の支払いを急に止められるとお金に窮するかもしれません。
ただし、ゼロにするわけではないのです。相場通りの6〜8万円位にしたいだけです。


 

 

養育費を、相場通りの金額にする話は、元奥さまにもう持ち掛けましたか?


 

 

 

 

 

いえ、まだです。
こちらから相談を持ち掛ける前に、一度誰かに相談してみたいと思っていました。

 

私の場合、養育費の減額というモノは認められるものでしょうか?


 

 

結論から言えば、よほどの理由が無い限り養育費の変更は難しいでしょう。
金額に合意せずに相場よりも高めの養育費を払っていて、途中で相場水準に下げようとしたが認められなかった例はあります。

 

似た状況での過去の判例を紹介します。


判例の紹介

判例@

東京高等裁判所

昭和62年3月30日

未公表

離婚後、妻が子ども2人の親権者となった。
養育費の金額は合意しなかったが、離婚後2年半の間、夫は毎月約20万円を元妻に支払い続けていた。

 

東京高裁は、「夫は、養育費として毎月1人あたり10万円を支払う旨の黙示の意思表示をして、妻も暗黙のうちにこれに応じたものと解するのが相当である」として、養育費の合意を認め、さらに将来の給付も命じた。

 
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今後について

 

 

過去の判例では、夫は離婚時に養育費の金額は合意していなかったと主張しています。
しかし、自分で納得した金額を離婚後2年半に渡って支払ってきました事実から、裁判所は養育費の金額等について変更を認めませんでした。


 

 

 

 

 

なるほど。

 

養育費を相場通りに下げることは難しそうですね。
ならば、いっそのこと養育費を止めてしまおうか…。


 

 

Aさんの一番の理想は、養育費を相場通りに下げることですか?
それとも、面会交流などが実施されることですか?


 

 

もちろん、面会交流です。
子どもとの触れ合いが一番優先です。


 

 

であれば、元奥さまへの言い方ひとつ変えるだけで、面会交流を実現させることができるかもしれません。法律でガンガン攻めるよりも、相手が面会交流をしたくなるように言えばいいのです。


 

 

 

 

 

元妻に面会交流をしたいと思わせるのですか?どうすればいいか、全く思いつかないのですが。


 

 

現時点では元奥さまにとって、養育費は生活する上で大変重要なはずです。もしあなたから、養育費を下げたり止められたりしたら大変なので、何としても現状を維持させたいはずです。

 

Aさんが面会交流をしたいのであれば、『子どもに会えないと養育費を支払う気持ちが続きません。しっかり仕事をして今までどおりの養育費を払い続けるためにも、子供に会わせて欲しい』と元奥さまにお願いする事です。


 

 

元妻にお願いするのですか?


 

 

重要なのは、敢えてこちらが下手に出ながらお願いするのです。どんな人も、丁寧に伝えられるとまず理解しようとします。それが、お金も関わってくるような話だと、できるだけ応じようとするはずです。

 

よく、子どもに会いたいために『子どもに会わさなければ養育費を下げるぞ』などと言ってしまう人がいるが、そんな事を言うと結果的に面会交流実現の可能性を無くしてしまうことになるでしょう。下手したら、恐怖すら与えてしまうことになります。

 

Aさんは、現状維持を続けるためにも面会交流に応じてくれる様に、元奥さまにお願いの姿勢で伝えてみてはどうでしょうか?


 

 

 

 

 

なるほど。
確かに、私は養育費を下げたい気持ちが一番ではなく、子どもに会いたい気持ちが最も大きいです。
もう少しで、子どもと会う機会を自分で潰してしまうところでした。


 

 

お子さんと会えるよう、頑張って下さい。
応援しています!


 

まとめ

養育費の金額に合意してなくても、長期間支払った実績は合意済みと見なされる!

 

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