第26回 離婚相談
婚姻費用計算で働けるのに無職の年収設定は!?

 

離婚カウンセラーの
ミライです。


 

婚姻費用は、お互いの年収と子どもの数・年齢で決まります。

 

夫も妻も、自分を有利にしたいと考えます。
まず思いつくのは、『自分の年収を低く』『相手の年収を高く』設定することです。
ただ、会社に勤めながらでは年収の調整は難しいです。

 

今回の相談者は、妻は働けるのに無職の場合、婚姻費用の年収設定はどうなるか悩んでいる旦那さまです。

 

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≪相談の背景≫
婚姻費用計算で、妻は働けるのに年収ゼロに?

背景を飛ばして相談内容を見る>>

家族構成

イラスト_男性50代

 

(相談者)
夫A氏(50代)
会社員

 

イラスト_女性40代

 

 

妻Bさん(50代)
専業主婦

 

イラスト_成人女性

 

23歳(長女)
社会人

 

俺たち夫婦は、今まさに別居を始めようとしている。

 

 

別居は妻から言い出した。
不倫や暴力などの決定的な原因は無い。
かといって、精神的暴力(モラハラ)や暴言でもない。

 

 

強いて言うなら、長年の結婚生活で些細な事が積もり積もった結果だ。

 

男性013_悩む1

 

妻とは、22年前にできちゃった婚で入籍した。
妻は入籍直後に娘を出産した。
出産後は、家事と育児しながら、たまにパート勤務もしていた。
ただ、今は専業主婦として家事をしているだけだ。

 

 

出産してから、妻はほとんど自分の時間を全く持てなかった。
その期間、私が優しく接していれば妻に不満は溜まらなかっただろう。
しかし、亭主関白で潔癖症な私は、何かある度に妻に当たってきた。

 

 

妻は常に息苦しさを感じていた様だ。
私が気づかない間に、ストレスが溜まってしまっていた。

 

 

そんな妻は、子どもが大学卒業して独立したことをきっかけに、別居を考え始めていた様だ。

 

 

子育ては一区切りついた。
残された人生は、一人で生きていきたい。

 

 

妻は、満を持して私に別居を切り出してきた。

 

 

当初、私は別居に反対した。
なんだかんだ言って、妻がいなくなるなんてショックだ。
寂しいだけでなく、家事を自分一人でしなければならない。

 

 

確かに今まではずっと仕事ばかりだった。
家事などは全て妻に任せっきりだった。
ストレスが溜まっている時など、妻に当たることもあった。

 

 

だが、あと数年で定年退職する。
退職したら、今まで走り続けてきた分、ゆっくり過ごしたい。
妻と共に、旅行などして老後を楽しく過ごしたい。

 

 

しかし、妻は別居をほぼ決断してしまっている。
今更、とても止められそうにない。

 

今力づくで別居をとどめても、溝が大きくなるだけだ。
離婚へ突き進む可能性はあるものの、一度離れて頭を冷やした方が良いかもしれない。
色々悩んだ末、私は妻との別居に合意した。

 

男性013_悩む9

 

妻は、別居してから80代の両親が住む実家に帰った。
大好きな両親と過ごしたいという気持ちもあった様だ。

 

 

最初は、妻は両親の世話をする代わりに、両親の年金の一部に頼って生活するつもりだった。だが、想定以上に出費が多くなった。

 

 

そんな時、妻は友人との会話で婚姻費用制度というものを知った。
別居すると、収入の高い側(夫)は低い側(妻)に生活費を支払わなければならないという制度だ。
その金額は、お互いの年収、未成年の子どもの数・年齢から決まる。

 

 

妻は、私に婚姻費用として毎月12万円を請求してきた。
その根拠は、下記の通りだ。

 

婚姻費用についての妻Bさんの主張

夫の年収は、650万円
妻の年収は、専業主婦なので無し
子どもは既に一人暮らし

 

婚姻費用は毎月10〜12万円。

 

だが私は、妻の婚姻費用の請求額の12万円を見て疑問を感じた。

 

 

私は、婚姻費用を支払うことには納得している。
法律で決められていることなので、さすがに支払わないわけにはいかない。
ただ、その金額を算出する前提に納得していなかった。

 

 


「お前、働けるだろ?
それなのに、年収をゼロとして計算するのはおかしいだろ?」

 

 

妻は、いたって健康だ。
持病などもなく、他の同世代と同様に働くことは可能だ。

 

 

子どもがいれば、専業主婦であっても仕方ないだろう。
特に、子どもが押さなければ育児と仕事の両立はハードルが高い。
だが、一人娘は既に社会人となり独立したので、子どもの世話をする必要もない。

 

 

私は、妻が働けるのにも関わらず年収をゼロとして婚姻費用を計算していることに納得できなかった。基本的には前年度の年収を参考にするとしても、さすがにこれはおかしいと思った。

 

 

私の主張は、妻の年収を約200万円と仮定するとした。
時給1000円で1日8時間、週5回働くことを前提としている。

 

 

業種は、特に定めていない。
パート勤務や派遣会社などで、年収200万円は十分可能だ。

 

婚姻費用についての夫(私)の主張

夫の年収は、650万円
妻の年収は、年200万円程度可能
子どもは既に一人暮らし

 

この条件だと、婚姻費用は6〜8万円。
妻の主張よりも4万円程度少なくなる。
毎月4万円の差だと、年間で50万円にもなる。

 

 

私は、婚姻費用には従うつもりだ。
法律で制度として決まっているのだから、無視するわけにはいかない。

 

 

だが、働けるのにも働こうとせずに年収をゼロと設定して、私から多額の婚姻費用を受け取ろうとする妻の考えが許せない。

 

 

私は妻に、『婚姻費用だが毎月8万円なら支払う』と伝えた。

 

 

もちろん、妻は納得いかない様だ。
想定していたよりも4万円も少なくなるなんて、到底受け入れられない様子だった。

 

 

妻の主張の12万円と、私の主張の8万円には、4万円の差がある。
場合によっては間の10万円に決着する場合もあり得る。

 

 

合意できない場合は、調停や裁判で決着をつけなければならない。
その時、働けるのに無職の妻に仮の年収を設定などできるのだろうか!?

男性013_悩む2

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≪離婚相談の内容≫
働けるのに無職の場合は、賃金センサスから年収を推定!

背景の要約

相談者夫A氏は、妻Bさんと別居が始まると婚姻費用を請求された。
夫は、婚姻費用の計算で妻の年収ゼロとすることに疑問を持っていた。
なぜなら、妻は健康であり子どもも独立しているので、十分働けるのだ。

<<戻って相談の背景を見る

 

 

 

 

 

別居した妻と、婚姻費用をいくらにするかで大変揉めています。
私の主張と妻の主張に4万円ほどの差があるのです。


 

 

4万円は大きいですね。
Aさんは、奥さまの年収を定める際、働けるのに専業主婦だったからと言うことでゼロとするのが納得できないのですね。


 

 

 

 

 

その通りです。
現在無職だからと言って、妻の年収をゼロとするのは納得いきません。

 

妻は、『前年度は専業主婦であったので年収ゼロを基準とすべきだ』と主張しています。妻としては、年収がゼロとして計算した方が婚姻費用は高くできて有利です。


 

 

その理由をお聞かせいただけますか?


 

 

 

 

 

子どもは社会人となり独立していて、妻自身も健康なので十分働けるはずです。
働けるのに年収をゼロとするのはおかしいと考えています。

 

その場合でも、婚姻費用を定めるための妻の年収はゼロになるのでしょうか?


 

 

結論から言いますと、奥さまの年収を合理的な考えに基づいて設定できる可能性はあります。

 

似た状況での過去の判例を紹介します。


判例の紹介

判例@

東京高裁

平成15年12月26日決定

家裁月報56巻6号149頁

婚姻費用計算において、無職の妻(54歳)の年収を理論的に導かれた統計資料(賃金センサス)を元にして、同じくらいの年齢の短時間労働者の収入程度(年間128万円)を推計した。

判例A

大阪高裁

平成5年4月15日決定

未公表

子どもが成人している無職の妻(50代)の年収設定を、無職ではなくパート勤務者程度の稼働能力はあるとした。想定の年収は、住居地の最低時給で1日6時間、月20日働いたとして推計した。

 
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今後について

 

過去の判例によると、働けるのに働いていない場合は、婚姻費用計算において年収をゼロとはしていません。健康であり養育すべき子どもがいない(もしくは独立して生計を立てている)場合、当事者は当然働けると判断されたのです。

 

働くことが可能な場合、その年収の設定の仕方が問題となります。その際、判例@では、賃金センサスから該当する条件の年収を設定しており、判例Aでは合理的に推計された年収を設定し、それを基に婚姻費用を計算しています。


 

 

 

 

 

婚姻費用を計算する際に、妻は十分働ける状態であるので年収をゼロとすることは無さそうですね。何とか婚姻費用を抑えれそうで良かったです。

 

ちなみに、判例Aでは賃金センサスに基づいて年収設定していますが、賃金センサスとは何ですか?
どこから見ることができるんですか?


 

 

厚生労働省の後悔している賃金構造に関する統計調査です。
性別・年齢・学歴・経験年数などから、ある人が統計的・潜在的にどのくらいの年収になり得るかを算定するときに用いられます。


 

 

なるほど。
妻に当てはまる条件から年収を定めて、婚姻費用を計算してみます。


 

 

あと、婚姻費用や養育費について注意があります。

 

Aさんにとっては自分の年収が低い方が支払う金額が少なくなり有利になりますが、意図的に年収を下げた場合は婚姻費用の低下が認められない可能性が高いです。特に、婚姻費用を下げるために会社を退職するのは絶対に止めた方が良いです。


 

 

分かりました。
婚姻費用・養育費は、仕方ないと割り切って払うようにします。


 

 

頑張って下さい!
応援しています!


 

まとめ

養育する子どもがいなくて健康な場合、婚姻費用を計算する際に年収をゼロとしない!(推測される年収を前提とする)

 

※ただし、幼い子供を育てているなどの事情があるなら、年収をゼロとすることが認められた判例があります。
≪離婚相談 第10回≫ 3人の育児をしながら働けというのか!?

 

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