不倫がバレて家を出ていった妻…

家族構成

イラスト_男性40代

 

(相談者)
夫A氏(40代)
会社員

 

 

イラスト_女性30代

 

※別居中
妻Bさん(30代)
専業主婦

 

イラスト_男の子

※母と同居
4歳(長男)
幼稚園児

 

あぁ。
なんてこった。
呆れて何も言えない。

 

 

先月、妻は子どもを連れて家を出て行った。
きっかけは、妻の不倫が発覚した。
それを戒めると、なんと逆切れして家を出ていったのだ。

 

男性24_悩み1

 

半年前から、妻の様子がおかしかった。

 

 

平日、子どもを幼稚園に送り届けた後、頻繁にどこかに行っているようだった。
週末は、子どもを俺に預けて、友人に遊びに行ったりもしていた。

 

 

最初は、育児の気晴らしが必要だと思っていた。
だが、さすがに頻度が多すぎる。

 

 

それに、化粧や服装も少し変わった。
携帯を肌身離さず持ち運ぶようになった。

 

 

おかしいと思った俺は、興信所に依頼することにした。

 

 

何日か調査を依頼したが、証拠はすぐに出た。
妻は、男と頻繁に会っていたのだ。

 

 

男とラブホテルに入る姿が、バッチリ写真に収められていた。
不倫している完璧な証拠だった。

 

 

興信所の費用は高かった。
だが、金銭的には問題ない。
この証拠が有れば、妻か不倫相手から100万円単位の慰謝料を請求できる。

 

 

妻とは離婚するかどうかは、まだ決めていない。
夫婦関係が修復できるようなら、子どものためにもそれが一番。

 

 

まずは、妻と話し合ってみよう。

 

 

その夜、食事を終えた妻に話を切り出した。
妻は、最初は不倫を否定していた。
しかし、興信所の報告書を見せると、取り乱した様に色々話始めた。

 

 

不倫相手は、買い物帰りに声をかけてきた人。
都内の会社に勤務する30代後半の独身。

 

 

ラインのやり取りから始まり、しばらくしてお茶しに行った。
それからは、頻繁に会うようになってしまった。

 

 

俺は、妻を叱った。
結婚して初めて強く叱った。
妻は、黙って泣いていた。

 

 

俺は、会話の全てを録音しておいた。
そして、後日に両親も含めて話をしようと思っていた。
もちろん、再構築を目指すつもりだった。

 

 

 

次の日、会社から帰ってくると、妻はいなくなっていた。
子どもを連れて、実家に帰ったようだ。
部屋には、俺のモノだけが残されていた。

 

 

俺は、すぐに妻に連絡した。
もう怒らないから早く帰ってこい。
子どもの声を聞かせて欲しい。

 

 

だが、妻からは、『しばらく考えます』とだけ返事が来た。

 

 

それからというもの、妻には何度か連絡をした。

 

 

元気にしているのか?
体調壊していないか?
子どもは幼稚園に通っているのか?

 

 

だが、返事はなかった。
俺は、なんとも言えない気持ちになっていた。

 

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そして、その日が来た。

 

 

仕事から帰ってくると、ポストの中に見慣れない封筒が入っていた。
送り主は、〇〇法律事務所となっている。

 

 

おいおい。
妻は弁護士に依頼したのか?
何がしたいんだ?

 

 

封筒を開けてみると、「通知書」なるものが入っていた。
恐る恐る読み始めた。

 

 

読んでいると、だんだん怒りで手が震えてきた。

 

 

妻の主張はこうだ。

 

妻の主張
  • 夫婦には、共に生活を助け合う義務がある。
  • 別居しているとはいえ、婚姻関係にあるので婚姻費用を払って欲しい。
  • 算定表を基にすると、毎月万円を請求する。

 

ふざけるな!!

 

 

確かに婚姻費用という制度は存在する。
婚姻関係にある限り、別居すると年収の高い側(主に夫)が妻に生活費を支払う。
男にとってはとんでもない制度だ。

 

 

だが、妻は不倫していたのだぞ。
不倫を叱ったことがきっかけで家を出て行ったのだぞ。
妻は、連絡も返さないし子どもにも会わせない。

 

 

それなのに、お金が支払えだと!?
そんな勝手が許されると思っているのか!?

 

 

それでも婚姻費用を支払わなければならないのか?
そんな理不尽が、まかり通っていいのか!?

 

 

俺は、藁にすがる思いで弁護士に相談に行った。

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この事例の争点

婚姻関係にある夫婦が別居した場合、年収の高い側(主に夫)が妻に、生活費を支払わなければなりません。これを婚姻費用制度と言います。

 

 

婚姻費用の金額は、双方の年収と子どもの数を基にして、裁判所が後悔している算定表から定めることが多いです。

 

 

しかし、この事例では、不倫していることがバレた妻が、一方的に家を出て行きました。そして、夫に対して婚姻費用の請求をしているのです。
妻は、自らの不倫が原因で別居状態となったのに、婚姻費用が欲しいと主張しているのです。

 

 

別居の原因となったのは、妻の不倫です。
興信所の調査で証拠がバッチリ撮ってあります。
夫から裁判すると、離婚も慰謝料も認められるでしょう。

 

 

夫は、家族のためにまじめに働いてきたのに、妻は不倫していたのです。
そのあげく、家を出ていきました。
それなのに、妻は婚姻費用を請求してきたのです。
この事例での妻の行動は、到底理解できるものではありません。

 

 

婚姻費用制度があるとはいえ、不倫して別居の原因を作った側からの請求が認められるのでしょうか?

 

 

では、この事例に似た過去の判例を紹介します。

女性モデル08_笑顔20

判例の紹介

判例@

大阪高等裁判所

平成16年1月14日

妻の不倫がきっかけで別居を開始し、妻が婚姻費用を請求した。

 

大阪高裁は、妻が夫婦関係破たんの原因となる一方で、夫に対して婚姻費用を求めることは信義誠実の原則に反している、としてした。

 

そして、「有責配偶者からの婚姻費用分担審判の申立てがされた場合には,申立て自体が権利の濫用である」として不倫した妻からの婚姻費用請求は認めなかった。

 

 

判例A

東京高等裁判所

平成20年7月31日審判

別居の原因は、主として申立人である妻の不貞行為であった。

 

東京地裁は、不倫がバレた妻が別居したことで夫婦関係が破たんしているのであって、その妻から婚姻費用を請求することは、権利の濫用として許されないとした。

 

しかし、同居の未成年の子の実質的監護費用を婚姻費用の分担として請求し得るとして、子どもの分の婚姻費用の請求を認めた。

結論

不倫などをして離婚原因(別居原因)を作った側は有責配偶者と言います。
過去の判例では、有責配偶者からの婚姻費用請求は、基本的には認められていません。

 

判例@

婚姻費用そのものが認められませんでした。

 

判例A

妻への婚姻費用は認められませんでしたが、子どもの分は認められました。

 

今回の事例では、妻Bさんは不倫の原因となりました。
なお、今さら指定しても不倫の証拠はバッチリ残っています。

 

 

もし裁判すると、妻Bさんはほぼ間違いなく有責配偶者となるでしょう。
そうなると、離婚請求はもちろん、婚姻費用請求も認められないでしょう。

 

まとめ

離婚原因を作った側(有責配偶者)からの婚姻費用請求は、まず認められない!